芸人、かく語りき
vol.11 三四郎 前編

本誌の人気連載「芸人、かく語りき」。今回登場するのは、注目度急上昇中、三四郎の小宮浩信さんと相田周二さん。誌面の記事からさらに展開したトークをご覧ください。

   

sanshiro
04年、小宮が中高時代の同級生相田を誘い結成。2013年THEMANZAI認定漫才師に選ばれる。
komiya hironobu (左)
83年東京都生まれ。ピンでは『未来ロケット』(フジテレビ)にレギュラー出演中。
aida shuji (右)
83年東京都生まれ。コンビでニコニコ生放送『三四郎の絶対頑張ります!(仮)』に月1回出演中。

平均点のとれない漫才

三四郎


──ふたりが最初に仲良くなったきっかけは?
小宮 中1のとき、相方が古畑任三郎のマネを取りつかれたようにやってて。面白い人だなーって思って。ずーっとやってました。
相田 古畑任三郎のマネっていうか、古畑任三郎を真似してる石橋貴明さんのマネをしてたんです。
──お互いのいいところ、悪いところを教えてください。
小宮 うーん……手がキレイ。
相田 (笑)。
小宮 これ、嫌なところなんです。僕も手がキレイだからそこを推していこうと思ってたのに、カブる。
相田 どこ推してんだって話ですけど。
小宮 いいところは社交的なところ。ぼくと全然違う性格だし、見た目も違うし。僕にないものを持ってると思いますね。
相田 いいところでも悪いところでもあるんですが、小宮は同じことが二回できないんです。
小宮 恥ずかしいですよねー。
相田 モチベーションによっても、ネタ前に何回練習するかによっても違います。自信満々で一回でOKだっていうときに限って全然できなかったりして、なんだったんだあの自信は、ってことがある。反面、乗るとアドリブを入れてきたりもする。ネタ尺が長くなって怒られはするんですけど、その間はすごく楽しい。そこがいいところですかね。でも悪いところでもありますね。
小宮 うん。
相田 ダメなときは本当に開始30秒くらいで心折れますから。『THE MANZAI 2013』の全国サーキットで、2回の合計で決勝に行けるか決まるんですが、1回目は審査員の方からもけっこういいと言われていたんですよ。でも、これで決まるという2本目で小宮が一番最初に「モテてえよ!」って大声あげた瞬間に、お客さんが引いたんです(笑)。そこから全然立て直せなくて、みるみる声がちっちゃくなって。そういうときこそ声出さなきゃいけないのに!
小宮 調整してたんだよ。引いてるから、「声量間違えたんだ、小さいほうがいいのかな」って思ったらどんどん小さくなっちゃって、変なふうになっちゃった。
相田 それが大事な舞台で出ると、本当にもうまったくダメですね。僕ら、平均点が取れないんですよ。のるかそるか。
──でも今年はテレビにも出るようになって、THE MANZAIの決勝進出に対する期待がさらに高まりますね。
小宮 みんなに「勝負は絶対今年だから」と言われているので、今年どんだけ緊張すればいいのか……。
相田 こいつ、めちゃくちゃ緊張するんですよ。僕らはステージの両端から別々に登場するんで、僕は小宮の様子を遠くから見ることしかできないんですけど、ずーっとえずいてるんです。たまに猫が吐くくらいのちっちゃいゲロはいてますよ、緊張しすぎて。
小宮 ハハハ。
──それを乗り越えて、今年は。
相田 結果を残せればいいですけどね。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


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