芸人、かく語りき
vol.14 ラバーガール×ザ・ギース 後編

本誌と連動したプロジェクト!
ラバーガールの大水洋介さん、飛永翼さん、
ザ・ギースの尾関高文さん、高佐一慈さんが登場。
今回は若干シリアスなテーマについて
語っていただきました。

 

rubber girl
スクールJCA10期生同士で01年結成。『キングオブコント2010』『キングオブコント2014』で決勝進出。
oomizu yosuke(右から2人目)
82年青森県出身。高校野球観戦を趣味としている。出演したドラマ『アオイホノオ』のDVDが11/19発売。
tobinaga tsubasa(左から2人目)
83年静岡県生まれ。アイドルに造詣が深い。細川徹作・演出『乾杯戦士アフターV』がDVD発売中。
 
the geese
04年結成のコントユニット。『キングオブコント2008』『NHK新人演芸大賞2013』で決勝進出。
ozeki takafumi(右端)
77年広島県生まれ。広島カープファン。カープ関連の番組出演等も多数。恐竜についても造詣が深い。
takasa kuniyasu(左端)
80年北海道生まれ。高校時代、『一人ごっつ』の影響から、学内でお笑い試験「高佐共通一次」を実施。

辞めようとしても辞められない、お笑いという仕事

ラバーガール×ザ・ギース


──芸人を辞めようと思ったことはありますか?
大水 僕はないですね。
飛永 あるある。しんどいっすもん。
高佐 うん。でも、じゃあ辞めてどうする?と思って、結局辞めないよね。
飛永 むっちゃ苦しいときある。僕は単独ライブとか、でっかいことをやったあとに、「なんだったんだ」ってむなしさが毎年来る。だから今年も7月頃は精神状態がやばかったです。
尾関 なんだよ、そういうときは一緒に飯食いに行こうよ。そんなことになってると思わなかった。
──そんなとき、大水さんは飛永さんから相談されるんですか?
大水 まあ、そういう話はされますけどねえ。「そっかあ」って。とくにアドバイスとかはできないんで、「まあまあ」って。
飛永 辞めてほかの仕事に就いたほうがお金になるんだろうなあって思う瞬間があったりして、目標を見失うときがありますね。だけどいまやっていることを突き詰めた方が結局楽しかったり、自分に返ってくるなってことで、なんとか踏みとどまったりします。もうちょっと上に行きたいなって思ってるから、なおさら苦しい。
尾関 俺30歳のとき一回辞めようと思って、そしたらその年に『キングオブコント』の決勝に選ばれちゃった。
高佐 「選ばれちゃった」って言うなよ。
大水 危うかったんだ?
尾関 決勝進出者発表のときに「やっとこれで苦しみから解放されるな」と思っていたら呼ばれた。だからそのとき僕、全然うれしい表情してないと思います。「マジか、また続くのか」って。それからまた楽しくなったんですけどね。その頃は結婚とか、子どもが生まれたばかりで不安もあって。
飛永 僕も結婚してるから、その怖さもあると思う。生活を考える。
尾関 トビーとはちょっと似てるよね。
飛永 尾関さんと似てるなんてやめてください(笑)。
尾関 ある程度いろんなことを見据えて、そこに向かってとりあえず行動しないと落ち着かないから動こうとするところが似てると思う。
飛永 あるかもね。コンビのどっちかがそうじゃないとっていう面はありますよね。
尾関 いまはここまで来たらやろうと。続けることが大事だなって思います。
高佐 ……僕も、けっこうやばいすね。
大水 いかにも深刻そう(笑)。
高佐 浅草の45公演連続興行(6月)が終わって燃え尽きた。でもいま辞めて、資格取ってほかの仕事に就いたとしても、絶対忘れられないと思うんですよ、お笑いのことを。ほかのことにまったく興味がないから。そうすると、もう死ぬしかないんですよ。
大水・飛永 (笑)。
尾関 重いよ! 記事にできないよ!
高佐 だけどいろんなライブに出て、結果があったりすることですごい充実感とかも得られるし。いいボケを思いついたときとか、生きてる感じがするから。
飛永 ああ、それならよかった。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


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