芸人、かく語りき
vol.28 アンガールズ 後編

ピクトアップ誌面記事と連動したアンガールズの田中卓志さん、山根良顕さんのインタビュー、その後編です。おふたりそれぞれのライバルについて、無理矢理語っていただきました。

   

ungirls
大学で知り合い、00年、コンビを結成しコントを始める。ふたり揃って長身細身の風貌、微妙な空気感を表現するショートコントで人気に。
tanaka takushi(右)
76年広島県生まれ。『七人のコント侍』(BSプレミアム)第14期にレギュラー出演中。
yamane yoshiaki(左)
76年広島県生まれ。16年より『すくすく子育て』(Eテレ)のMCを務める。
所属事務所ワタナベエンターテイメントのHP

予想外の深読みをされたコント

アンガールズ


──おふたりが単独ライブ『~ゴミにも息づく生命がある~』のなかでいちばん気に入っているネタは?
田中 どれもおすすめなんですが、「悪霊退散」かな。ひとつアイデアが入っているネタで、あまり考えずに笑える。物語を追っていくようなものじゃなくて、形や動きだけで笑えるネタって、僕らあるようでないんです。しかもこのネタは、ほかの芸人さんでもあまり見たことがないような展開になっていると思います。
山根 ぼくは「友情」かなあ。ふたりが友達同士というネタは昔から多かったんですが、昔はもっとふたりが素っ頓狂だったんです。でも「友情」は、友達という関係性は残りつつ、ちょっと大人っぽくなってる。感情が動いたりする。もしよかったら昔のコントも観てもらって、同じ友達同士でも違う感じのコントになっているという部分を見比べてもらえたら楽しいと思います。
──「バラエティショップ」のコントは、いまのようにおふたりが活躍しているからこそ生まれたネタだなと感じました。
田中 あのネタは、バラエティ番組に出ていて感じたことをもとにしているのは確かなんです。でも、単独ライブ全体の構成を考えて、「まあ5本目だし毛色を変えなきゃ、お客さんがラクに観られるものを入れよう」と思ってつくったネタだったんですよ。
山根 でも思いのほかお客さんが笑ってくれたんですよね。
田中 バラエティについて深く考えた結果できたネタに見えたらしくて。「芸人のもどかしさをどこで解消しているのか、想像させられるネタだった」とか言われて、いいようにとってくれました(笑)。
──おふたりは、ライバルといえば誰を思い浮かべますか?
田中 よく聞かれるんですけど、いないんだよなあ。芸人ってみんな協力し合ってバラエティ番組に出てるから。ただ、アンガールズと同期のメンバーがオードリー、南海キャンディーズ、平成ノブシコブシ、ウーマンラッシュアワー、ピース……みんなすごく活躍してるんです。だから、そのメンバーには遅れずついていきたいなって気持ちはあります。
山根 ぼくもライバルって言われると難しいんですよね。それぞれ違うツボがあって、面白いからなあ……。クロちゃん(安田大サーカス)かな。地元が一緒だったり、出はじめた時期が一緒だし、気持ち悪いと言われてたりとか、共通点が多いから。
田中 クロちゃんと山根じゃ、ぜんぜん芸人としてのポジションが違うじゃん。
山根 じゃあ(事務所に飾られているワタナベエンターテインメント所属タレントの写真を眺めて)……、谷田部(俊。我が家)とかかなー。
田中 それもぜんぜん違うじゃん(笑)。
山根 いや、“物静かな人”の枠で、谷田部にしよう。


2016.10.5
[text]釣木文恵 [photo]冨田望


ピクトアップ102号の「芸人、かく語りき」では、ポートレイトとオリジナルなスタンスを伝えるインタビューを掲載!


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