芳根京子さんタイトル

 
yoshine kyoko
97年東京都生まれ。13年、ドラマ『ラスト♥シンデレラ』で女優デビュー。連続テレビ小説『花子とアン』に花子の親友・蓮子(仲間由紀恵)の娘役で出演。15年秋に公開された『先輩と彼女』ではヒロインを務めた。
ブログ「芳根京子のキョウコノゴロ」
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この世界のどこかで生きている女の子として存在したかった

芳根京子インタビュー[後編]

──なんでそんなに演技がお上手なんでしょう?
「私自身はお芝居を『上手い』『ヘタ』で考えたことがないんです。『表参道高校合唱部!』なら、“香川真琴”としてちゃんと存在したい、と考えていただけで……。この世界のどこかで生きている女の子なんだってことが伝わればいいなと思っていました。そもそもお芝居って意識していなかったかもしれません」
──本物の香川真琴をつくる、ってことですか?
「『台本にはこれしか書いていないけれど、この前には何があったんだろう』とかそういう感じで、ひとりの人間としての人生を考えていました」
──ずばり女優として自分が秀でているところはどこだと思います?
「よく言われるのは『染まってないね』です。『素朴』とか『ちょっと田舎感があるね』とか。そういう風に言われることって、強みなんじゃないかと思っています。染まっていたらそれしかできない。いろんなところに転がっていけることは長所なのかなって。でもそれこそいまどきの女子高生とかが逆に難しい。課題は多いです」
──では女優業は何が一番おもしろいんでしょう?
「答えがない……ことですかね。たぶん、答え合わせをすることが苦手なんです(笑)。だいたい合っていないんですよ、算数とかでも。美術とか──美術はあんまり得意じゃないですけど──音楽とか体育って、答え合わせがないじゃないですか。音楽をずっとやっていたこともありますけど……」
──ピアノとフルートが特技ですもんね。
「体でなにかをやる方が自分には合っているんだろうなってずっと思っていたんです。お芝居はもちろん頭も使いますけど、頭というよりは、感覚やそのときの感情で動いているので」
──答えがわからないまま、没頭するのが好きだと?
「答えがないから、終わりがない。もっとこうしてみたら!って思うんです。役者さんってきっとこれが魅力なんだろうな。抜け出せなくなるんだろうなって思います」

芳根京子さん ──たまらんのですね。
「そうなんです(笑)」
──壁にぶち当たるというか、ツライな!って感じることはないんですか?
「ありますけど、それってきっとどのお仕事もそうだろうなって思います」
──まっとうですね。
「女優は、不思議な、少し変わったお仕事ではあると思いますけど」
──いまおっしゃった女優業の醍醐味はこの世界に入った最初からですか? スカウトがきっかけだそうですが……。
「最初は何が面白いのかもわからなくて、台本に書いてあることを、ただ書いてあるようにしかできませんでした。自分の言いたいことなんて全然言えなかったし、人と関わることが得意ではなかったし。変わってきたのはここ1年ぐらいです。徐々にはまっていったというか、楽しい、この仕事をずっとできたらいいなってどんどん思うようになってきました」
──目指しているものとかってありますか?
「それこそ頭で考えるのがヘタなので、『こういう女優さんに』ってことはあんまり意識しません。もちろん目標とする方や、やってみたい役はあるけれど、それよりも流れに乗って行けば、自分が一番落ち着く場所にきっとたどりつくんじゃないかなって考えています。自分にとって居心地のよい場所に」

2016.2.25
[text]八王子真也


表参道高校合唱部!
演出/石井康晴 池田克彦 吉田秋生 脚本/櫻井剛
出演/芳根京子 ・ 志尊淳 吉本実憂 森川葵 堀井新太 高杉真宙 萩原みのり 泉澤祐希
川平慈英 堀内敬子 ・ 神田沙也加 デビット伊東 立石涼子 ・ 平泉成
高畑淳子 城田優

©TBS

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