芸人、かく語りき
vol.34 ナイツ 後編

105号「芸人、かく語りき 」に登場いただいたナイツの塙宣之さんと土屋伸之さん。web版の後編では、おふたりが密めたオリンピックへ向けた野望についてお聞きします。

 
   

knights
00年、コンビ結成。『0655』『2355』(ともにEテレ)、『お笑い演芸館』(BS朝日)などに出演中。
hanawa nobuyuki (左)
78年千葉県生まれ。漫才協会副会長。
tsuchiya nobuyuki(右)
78年東京都生まれ。漫才協会理事。
所属事務所マセキ芸能社のHP

ナイツのめざす、意外なオリンピック

ナイツ


──おふたりは現在のお笑い界をどんなふうにとらえていますか? これからブレイクしそうな若手は誰でしょう?
塙 こういうとき、だいたいもう売れかけてるやつの名前を出しちゃうんですよね。
──3年前にうかがったときは、トレンディエンジェルと三四郎の名前が出ていました。
塙 三四郎、もうとっくにきてたでしょう(笑)。
土屋 それ、マセキのマネージャーが入れたんじゃないですか?
──(笑)。二組ともいまや人気者ですね。
塙 いやー、以前よりも、若手のネタを観なくなっちゃったからなあ。最近ミキがすごく出てますよね。だからもうミキにしといてください。
土屋 ミキは確実にきますね。
塙 去年のM-1でも、銀シャリとかスーパーマラドーナが最終決戦に残って、敗者復活戦ではミキが接戦で、関西勢が強かったでしょう。関西の、スーツを着た、いわゆる正統派と呼ばれる漫才師がいっぱいいましたよね。年末にフジテレビでは『THE MANZAI』という番組があって、こっちは賞レースではないけれど、結成15年を超えたベテランの人たちが真剣に漫才をする番組になっている。ここでもみんな、けっこう新ネタをつくって一生懸命臨んでるんですよ。それが去年、とくに顕著だった。休止前のM-1の頃みたいに、またみんなが頑張って漫才をする時代になってきている。だから僕は、今年末の『THE MANZAI』に呼ばれたら、今回の独演会でかけたなかでもちょっと変なネタをやりたいと思っています。
──あえて逆の方向に?
塙 そう。みんなが頑張ってると、逆のことをしたくなっちゃうんですよね。
──漫才に対する姿勢も、時代によって少しずつ変化していくんですね。
塙 この前、ある芸人さんが「狂言って要は昔のコントだけど、いま観ても解説がないと面白さがわからない」という話をしてたんです。「いまの時代だけ切り取ってみたら、狂言よりコントのほうがウケてる」って。たしかにそうかもしれないし、だとしたら漫才自体も、この先どうなるかわからないですよね。NON STYLEの井上(裕介)くんも、「漫才はいずれなくなる文化だと思う」と言ってましたし。いまはまだ寄席にもお客さんが来てくださって、漫才師としてやっていけている。でも急に仕事がなくなるかもしれない、とはたまに思うことがあります。
──なるほど……。土屋さんはいかがですか?
土屋 お笑い界というか、芸能界全体でいうと、東京オリンピックを意識している大御所が多いんじゃないかと。
──そうなんですか?
土屋 想像ですけど。お笑い界もひょっとしたら、超大御所がもうひと頑張りして、オリンピックで目立ってやろうと目論んでいる方がいるんじゃないかなと思っています。
──実際、そういう気配は感じますか?
土屋 いや、まだまったく感じてないですけど(笑)。たとえば松本(人志)さんってアマゾンプライムビデオでお笑い番組をつくったりして、常に新しいことをされてるじゃないですか。だから、ダウンタウンさんがまた漫才をはじめて、オリンピックのオープニングアクトに登場するとか、ひそかに予想してるんです。
──ナイツはオリンピックにからむことを目指してるんですか?
塙 やっぱり逆なんですよね。みんながやりたいことは、やりたくなくなっちゃう。だから僕は2020年なんて眼中にない。2024年のほうのオリンピックをめざします。
土屋 来年あたり、「ちょっとナイツ、行動が遅いんじゃないかな?」ってみんな思うでしょうね。でも2020年ではなくて24年のほうを向いてますから。
塙 目標はやっぱり7年後ですよ。
土屋 2020年が終わってみんなが燃え尽きた頃に、ナイツがぐっと盛り上がっていくかもしれませんね。


2017.5.1
[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


ピクトアップ105号の「芸人、かく語りき」では、おふたりのポートレイトとオリジナルなスタンスを伝えるインタビューを掲載!


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