芸人、かく語りき vol.1 バイきんぐ前編
本誌で連載がスタートした、実力派芸人を紹介するコーナー「芸人、かく語りき」。第1回目は「なんて日だ!」という雄叫びとともにKOC(キングオブコント)2012優勝へと輝いたバイきんぐのお二人、小峠英二さんと西村瑞樹さんが登場!

   

viking
自動車教習所で出会った二人が大阪NSCで運命の再会を果たし、96年結成。いくつかの事務所を経て、現在ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
kotouge eiji(左)
76年福岡県生まれ。KOC優勝当日朝まで長年害虫駆除のアルバイトをしていた。相方のすごいと思うところは「演技力」。

nishimura mizuki(右)
77年広島県生まれ。長年コールセンターのアルバイトをしていた。相方のすごいところは「キレたときのパワー」。

僕らのライバルというか、影響を受けたのは……

バイきんぐ


──芸人になろうと思ったきっかけは?
小峠英二 僕は特別何かを観て影響を受けたというわけではなく、日常生活で人を笑かすのが好きで、小学校2年生くらいからお笑いをやると言ってたんです。
──クラスのスター的な?
小峠 まあ、そんな感じでした。テレビは、『ごっつええ感じ』とか『ひょうきん族』はよく観てました。
西村瑞樹 僕は『夢で逢えたら』がむっちゃ好きで、けっこう影響受けましたね。
小峠 ああー!
──コンビを組むときは、どちらから誘ったんですか?
二人 (声をそろえて)誘ったっていうか……。
西村 自動車教習所で出会って、その半年後に養成所の面接で再会したので、テンションあがってどちらからともなく組むしかないでしょ、という感じになりまして。

──ライバルは誰ですか?
西村 僕らと同じく去年賞レースに勝って出てきたという意味では、ハマカーン。僕らが出たことのない番組に出てたりすると、「ああいいなあ」って思います。
小峠 ライバルではないですが、こんな感じがいいなと思うのは、サンドウィッチマンです。M-1で世に出て、いまでも新ネタつくって単独やり続けて、ちゃんと残っている。ああいうふうにならなければいけないなと思います。目標ですね。

──いま、もっとも自信のあるネタは?
小峠 ライブ『エース』のなかでいえば、「ポイントカード」が一番僕は面白いと思います。
──テレビでも披露されてましたね。
小峠 はい。「AD」よりも「万引き」よりも、これがいちばん誰もが経験する日常じゃないですか? ……そうか、やっぱ日常がいいねんな。東京03さんのコントって全部、日常を描いているじゃないですか。それを観て「こういうのいいな」って思ったんですよね。だから、東京03さんの影響はでかいです。
──西村さんはどれが?
西村 「バット」は危険ですね。入念なウォーミングアップが必要だとわかりました(NHK『ザ旬芸人グランプリ ニコジャッジ』において「バット」の最中に前十字靭帯断裂にみまわれた)。「AD」はあまりやらないタイプの、昔やっていた感じのものにちょっと似ていて、やっていて楽しかったです。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


ピクトアップ#85の「芸人、かく語りき」では、お二人のポートレイトと「芸人の覚悟」を伝えるインタビューを掲載!


▷バイきんぐ 後編「もう辞めよう、と思ったとき」