芸人、かく語りき vol.2 バイきんぐ後編
本誌で連載がスタートした、実力派芸人を紹介するコーナー「芸人、かく語りき」。vol.1に引き続き、KOC(キングオブコント)2012チャンピオンであるバイきんぐのお二人、小峠英二さんと西村瑞樹さんにお話をお聞きしました!

   

viking
自動車教習所で出会った二人が大阪NSCで運命の再会を果たし、96年結成。いくつかの事務所を経て、現在ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
kotouge eiji(左)
76年福岡県生まれ。KOC優勝当日朝まで長年害虫駆除のアルバイトをしていた。相方のすごいと思うところは「演技力」。

nishimura mizuki(右)
77年広島県生まれ。長年コールセンターのアルバイトをしていた。相方のすごいところは「キレたときのパワー」。

もう辞めよう、と思ったとき

バイきんぐ


──ネガティブな質問ですが、解散を考えたことはありますか?
小峠 あります。10年くらい前ですね。いまの事務所に所属する前、フリーの時期があったんです。どこのプロダクションにも所属していない時期が、3年くらい。その頃は、コンビ結成以来17年間でいちばん悪いときでした。ライブも月1回出てるかどうかという程度。その頃、解散の話が立て続けに出たのを覚えています。
西村 解散の話が持ち上がったのって、これまでに合計5回くらいあるんです。その5回は全部、フリーだった3年間のあいだに出たもの。
──それはどちらから?
西村 どちらからもあります。
──ネタも小峠さんが書かれていますし、なんとなくコンビの主導権は小峠さんにあるイメージがあったので、西村さんも解散を持ちかけたことがあると聞いて驚きました。

西村 まあ、主導権とは関係なく、その時は本当に無理だと思っていたんですね。
──どうやって乗り越えたんですか?
小峠 もう辞めようってお互いが同時に思っていたら、たぶん辞めてました。でも、片方が辞めようと思っていたときに、もう片方が意外とやる気があったりすると、解散っていう結論には至らないんですよね、たぶん。
──フリー時代を抜けて、いまの事務所に移籍されてからは、そんなことはなくなったんですね?
小峠 そうですね。
西村 よかったです。

──5回も立て続けに解散の話が出たのに、その思いが一致しなかったからいまがあるわけですね。
小峠 そうですね、僕と西村はなぜかタイミングがずれていて。
西村 ふふふ。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


ピクトアップ#85の「芸人、かく語りき」では、お二人のポートレイトと「芸人の覚悟」を伝えるインタビューを掲載!


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