芸人、かく語りき
vol.12 三四郎 後編

本紙の連載「芸人、かく語りき」と連動したWEBオリジナル記事。三四郎、小宮浩信さんと相田周二さんのトーク、その後半をお楽しみください。

   

sanshiro
04年、小宮が中高時代の同級生相田を誘い結成。2013年THEMANZAI認定漫才師に選ばれる。
komiya hironobu (左)
83年東京都生まれ。ピンでは『未来ロケット』(フジテレビ)にレギュラー出演中。
aida shuji (右)
83年東京都生まれ。コンビでニコニコ生放送『三四郎の絶対頑張ります!(仮)』に月1回出演中。

いつ認められるんだろうと思っていた

三四郎


──最近、とくに小宮さんが注目を集めていることに対して相田さんはどう思っていますか?
相田 僕は中高からずっと小宮が面白いと思っていたので、小宮だけが出るようになってもいじけるような気持ちはないです。去年『ゴッドタン』(テレビ東京)に出させてもらったのをきっかけにちょっといい感じにはなったんですけど、僕らそれまで全くオーディションに引っかからなかったので。
小宮 大人の人からの評価が全然で。
相田 オーディションでは「ドリフ」とか、コマネチの部分を「人のふんどしで相撲取ってるよね」とか言われて、そういう使い方してないのになーと思って。ずっと、いつになったら認められるんだろうと思っていた。だから、「ようやく小宮が注目されるようになったか、ここまで8年長かったな」って気持ちが強いです。『ゴッドタン』に出られたのも、「若手芸人が選ぶ」というくくりがよかったんですよね。下積みが長いぶん、フリーでライブに出ている芸人さんともたくさん仲良くなってるから、そこで選んでもらえたと思うんです。
──最近はライブでも三四郎さんが登場するだけで観客が前のめりになる感じがありますが、それについてはどんな感覚ですか?
小宮 僕らの漫才って一番最初は「何なのコレ?」と感じる人がほとんどだと思う。それこそ劇薬みたいな感じ。「うわ、ツラい」と思うかもしれないですけど、一度理解してもらったら強いタイプなんです。僕のキャラをわかってもらえたほうがやりやすいので、プレッシャーとかはないですね。
相田 でも、ちょっと笑っちゃうよね。登場して「ワー!」とかいう声が上がるのは、変な感じ。
小宮 歯が欠けたおじさんに対して何言ってんだろうとは思う。出待ちの人とかも、自分でいうのもなんですけどけっこうえげつなく並んでくれるんです。なんで? と思います。
相田 えげつないですね、最近は。
──えげつないですか(笑)。
小宮 いやこれね……えげつないです。
相田 改めて強調しなくていいよ(笑)。やらしいな。 
小宮 「もっと、ほかにいるのに」って思います。 
相田 うしろシティのファンも好きになってくれたり。1年半前に 『ロケットライブ』(フジテレビ)に出演したときに、うしろシティと僕らが一緒の回だったんです。そしたらTwitterのフォロワーがガンと増えて、うしろシティ効果すごいなって。
小宮 ありがとう、ありがとうと思って。
相田 そうやって最初は自分たちのファンじゃなかった人たちが僕らのファンになってくれたりして。ファンの人たちも柔軟性あるなぁって(笑)。
小宮 わざわざライブにお越しいただくお客さんって、やっぱりヘンなものとか変わったものを観たい人ばっかりなんですよ。僕自身も、テレビでは観られないものが観たい。僕らはそういうネタをやっていると思います。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


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