歳を重ねて、変わってきたこと
ラバーガール×ザ・ギース
──ラバーガールさんは細川徹さん演出の単独ライブを行っていますし、ザ・ギースのお二人は今年30日間45公演連続興行をされましたよね。面白さは折り紙付きのうえ、さらに挑戦を続ける二組という印象があります。
高佐 なにかちょっと新しいことにチャレンジしてみたい、みたいな欲ってないですか?
飛永 ありますよ。やっぱ、若さだけじゃお客さんが来ない感じになってきたよね。
高佐 そうなんだよ。
尾関 違う魅力を出さないと。
飛永 ファン、減った感じするでしょ。出待ちとかさ。
高佐 減った減った。
飛永 だから小手先でできることはもういいかな、みたいな感覚はあるよね。
大水 やっぱおじさんになってきたんで、表面的なファンはもういないです。
飛永 電話番号とかもうもらわない。
高佐 元からそんなもらってなかったし!
大水 でもいまはもうゼロだから。ここからますますおじさんになっていく自分たちのライブに来てもらうためにはいままでよりもっと細かい演技をしたり、いろんな新しいパターンのネタをつくっていかなきゃいけないから、細川さんにお願いしているという部分もあります。
──ザ・ギースのお二人は10周年を記念したライブ「ニューオールド」で昔のコントから新しいものまで演じられましたが、振り返って感じたことは?
高佐 「歩行者教習所」というネタで尾関と手をつなぐシーンがあるんですけど、“お父さんの手”になってて。
尾関 久々に手をつないだらね。
高佐 そこで、「そうか、もう二児のパパなんだな」と思った。
飛永 手が変わったんだ。
尾関 ネタのつくり方として、昔はもっと設定に重きを置いていたんですが、最近はそれ以外のものを出したいなって感じがある。自分たちの、生きていてにじみ出てくるような、湧き上がってくるようなものを入れたい。コントって人となりがあまり出ない。そうすると売れることも難しいってところがあるので。
高佐 しかも10年くらい前はそういう設定重視の方がブームだったんですよ。いまはわりと、その人の地に足ついたものの方が受け入れやすくなってる。
──時代によって求められるコントが変わるわけですね。
飛永 流行りはありますよね。(リズム系のネタでブレイクした)2700が出たあとに歌ネタをやる人が増えたりとか、ジグザグジギーのスタイルをマネする人が増えた時期もある。でもそれに振り回されるともう何やりたいかわかんなくなってきちゃうから。
尾関 うちらもそこは流されないですけど、ちょっとしたところで取り入れようかっていう気持ちはある。
高佐 ラバーガールって、わりと自分たちのキャラとつながってる部分でコントをやってると思うんです。僕らはわりと、コントと素が違うんですよ。だから素の部分をもうちょっと出していったほうがいいかなって。
大水 確かに僕らは昔からあんまり変わんないかもしれない。
飛永 実はキャラコントだからね(笑)。確かに……(静かな口調で)尾関さんはひどい人間なんですよ。
尾関 真面目なトーンで言わないでよ!
飛永 二重に結婚祝いをもらったりとか。
高佐 奥さんのハンドバッグを売ったりとか。
尾関 それはまあ……。
飛永 結局人間がやってるものだから、そういう素の部分がちょっとでも見えたときにお客さんは笑ったりするんですよね。
[text]釣木文恵 [photo]相澤心也
ピクトアップ#91の「芸人、かく語りき」では、4人のポートレイトとオリジナルなスタンスを伝えるインタビューを掲載!
三四郎 後編◁ ▷ラバーガール×ザ・ギース 後編 |