「田中が考え中」が生み出したもの
アンガールズ
──田中さんは今回のアンガールズ単独ライブ『~ゴミにも息づく生命がある~』のなかに、これまでコンスタントに続けてきた長尺のコントライブ「田中が考え中」の特別編を組み込みましたね。これまでの「田中が考え中」での経験が、今回の単独ライブに活かされた部分はありますか?
田中 あるかもしれないですね。尺が長いと、キャラクターそれぞれの考えを出さなきゃいけない。「この人はこういうことを考えているから、こう行動するんだ」というの設定をひとりひとりのキャラクターについてつくっていかないと話が転がっていかないんですよね。そんなこと、これまでアンガールズのコントを書くときに一切やっていなかった。「田中が考え中」を経験したことで、今回の単独ライブのネタを書くときに、ちょっとだけキャラクターにリアリティが出たような気がします。
──「田中が考え中」にはレギュラーメンバーがいますよね。今回、その中から鈴木拓さん(ドランクドラゴン)やアイアム野田さん(鬼ヶ島)も参加していますが、山根さんがそこに参加するのはどんな気持ちでしたか?
山根 7年のあいだに田中が書くネタの幅が広がっているんだなというのはすごく実感していたので、とにかく置いていかれないように頑張らなきゃっていう気持ちはありました。それは「田中が考え中」だけじゃなく、ふたりのコントでも同じですけど。というか、単独ライブのなかで「田中が考え中」が田中の広がりを見せる部分でもあると思ったので、ふたりのコントもそれに劣らないものにしないとと思いました。
田中 僕も「田中が考え中」のなかで山根をどういうキャラクターにするかはちょっと考えました。ぶっ飛んでる人なのか、普通の人なのか。でも、ブルーリバーの川原(豪介)くんにツッコミを任せようと思っていたので、まあ川原くんがふつうの人。野田くんと鈴木さんはバカみたいなことを言う人。だからその間くらいをやってもらおうと。
──これまで出演していたメンバーが今回出られなくなったことについて、コントの中でしっかり触れていましたね。
田中 その要素を入れるかどうかは迷ったんです。でも、彼はメンバーのなかでいちばんのツッコミだったので、それをまったく触れないのも気持ち悪かった。本当にずっと仲間としていっしょにやってきたメンバーだったから、ここは僕らが舞台上でいじらないと、っていう気持ちもあったんです。僕らが触れる分にはお客さんも絶対笑ってくれるだろうと思ったら、ちゃんと笑ってくれた。最終的には入れてよかったなって思っています。
2016.8.18
[text]釣木文恵 [photo]冨田望
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