漫才の途中で、僕だけ楽しくなっちゃうときがある。
三四郎
──とくに小宮さんはコンスタントにさまざまなバラエティ番組に出演されていますが、これまで夢見ていた世界に実際に足を踏み入れてみて、現実を知った部分もありますか?
小宮 テレビで売れてる人ってめっちゃテンションが高いのかなって思ってたんです。いざ番組に出演させてもらったら、先輩芸人の方とか楽屋ですごく静かなので、「もっとめっちゃテンション高くあれよ!」っていちばん最初の頃は思いました。「テレビに出るってすごいことだよ?」って。
相田 あはは!
小宮 でも考えたら毎日ずっと同じようにテレビの仕事をしてるわけだから、テンションもふつうになって当たり前なんですよね。
──ご自身はどうですか?
小宮 やっぱりいちばん最初はめちゃくちゃテンション高かったんですけど、ちょっと慣れたかもしれません。マスメディアにかぶれたんですかね。
相田 かぶれてるのか(笑)。
──活躍している人たちのだんだん気持ちがわかってきたわけですね。DVD『一九八三~進化~』はライブの収録ではなく、スタジオで撮りおろしているんですね。
相田 そうですね。
──お客さんはいらっしゃるんですか?
小宮 多くはないんですが、少し入っていただいてます。
──三四郎の漫才って、生っぽいと言いますか、その場の雰囲気で変化していく印象があるんですが。
小宮 あ、そうですね。このDVDも、最初はスタジオで撮るということで、お客さんゼロでやるという話も出てたんですよ。でも僕らはお客さんがいたほうがやっぱりやりやすいので、入れていただいたんです。
相田 笑い声を聞かないと、テンション下がっちゃうんですよ。
小宮 お客さんがいないと、やっぱね。そこは場数を踏んでも「進化」できてないですね。
相田 DVDのタイトルでうまいこと言った感じ出すなよ(笑)。ライブ感というか生っぽさでいうと、今回のDVDに収録されている「代官山」は、小宮がテンションあがりすぎて、変な感じになってます。それがまた面白いんですけど。
──そういうとき、相田さんって小宮さんの状況を見てすごく楽しんでらっしゃる感じがありますね。
相田 あ、ありますね。僕だけ笑っちゃってしばらくネタにいけないことが、年に1回くらいありますね。で、気づいたら僕しか笑ってない。
小宮 僕もそれが楽しくて、そのボケをやり続けちゃうんですよね。
相田 なんでだろう? あれ。幼なじみだからなのかな。わかんないけど、僕だけ笑っちゃうんだよな。
2016.12.9
[text]釣木文恵 [photo]相澤心也
ピクトアップ103号の「芸人、かく語りき」では、ポートレイトとオリジナルなスタンスを伝えるインタビューを掲載!