芸人、かく語りき
vol.17 ラブレターズ 前編

本誌の連載「芸人、かく語りき」と連動したWEB特別コンテンツ。ラブレターズの塚本直毅さんと溜口佑太朗さんの登場です!

   

love letterz
08年、『キングオブコント』に出場するために結成。
tsukamoto naoki(押)
84年静岡県生まれ。幼少期は美人の母親似だったが中学時代にどんどん父親似に変化し、ショックのあまり鏡を割ったことも。
tameguchi yutaro(座)
85年埼玉県生まれ。劇団拙者ムニエルに所属し、役者としても活躍。ヤクルトスワローズのファン。ラジオでは「カリスマ」として君臨。

みんなと一緒に上の世代に立ち向かっていきたい

ラブレターズ


──ライバルは誰ですか?
溜口 ライバルですか……。
塚本 ウエストランド。僕らはコントで彼らは漫才って違いはありますけど、お互いお笑いの養成所とかも出ていなくて、フリーの頃から同期といえる同期はウエストランドくらいなんですよ。だからいつも気にはなっちゃいますね。
溜口 僕はmiwaちゃんかなー。
塚本 miwaちゃんは歌手じゃん。なんでよ。どの辺がよ。
溜口 やっぱり僕と同じちいさいキャラで、歌うまいっていう。
塚本 歌うまい関係ないだろ!
溜口 結構最近ぐいぐいきてるみたいなんで、まあ負けちゃいらんないなって。ちょっと歳下ですけども、芸歴はたぶん同じくらいだと思うんで。
塚本 芸歴もだいぶ若いんじゃない?
溜口 若いか。じゃあなおさら、勢いのある後輩は早く潰しておかないと。お笑いではいないんですよ。
塚本 いないんだ?
溜口 いないよ、だってみんなお笑いの種類が別々じゃないですか。それぞれみんな頑張ってるし。結局同世代でお互いをライバル視するよりも、いまのこの世代が力を合わせてガツンと上を潰さないと。
塚本 まあねえ。
溜口 近いところで潰し合ってもしょうがないかなって。それより、相乗効果で売れなきゃいけない。僕らのこの世代が、とんでもなく層が厚いなって言われたい。だから、ライバルといったら上の人たちですよね。テレビに出てる人たちがライバル。
──確かに。ずっと長年、上の世代の方々が活躍している状況ですもんね。
溜口 そうですよ、ピラミッドが崩れないままじゃないですか。
塚本 全然こっちに出番回ってこないですもんね。……引退制度とかないんすかね。僕らもですけど、僕らよりも上にまた10何年やってきて出られてない先輩方もいらっしゃるんで。
溜口 だから、同世代の誰かがでかい場所、たとえば『アメトーーク』とか『ゴッドタン』『踊る! さんま御殿』なんかの収録に行ったって聞くと、ゾクゾクする。一緒にライブに出ていた人たちが行くってことは、自分たちにもチャンスがあるってことですから。「うわー行かれたか」って気持ちよりも、「我々の番になってきたんだな」って感覚です。その波に絶対乗っかんないといけないし、出遅れないようにしなきゃって思う。その人たち、いまでいうと三四郎さんとか、日本エレキテル連合さんとかがデカい門を開けてくれたんで、そこに入んないとって最近感じますね。
塚本 うん、そうだね。なんか突破口が見えればいい。
溜口 そう考えるとやっぱりmiwaちゃんみたいな魅力が必要ですよね。
塚本 関係ないだろうが。まあ確かにmiwaちゃん、一気に人気者になった感じあるもんな。
溜口 そうですよ、結局ああいう勢いが大事なんですよ。

[text]釣木文恵 [photo]相澤心也


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