思いがけないところから芽生えた“出る側”への憧れ
ラブレターズ
──いちばん最初におふたりがお笑いを意識したきっかけはなんですか?
溜口 きっかけは『キングオブコント』なんですけど。
塚本 記念受験するためにコンビを組んだんですけどね。
溜口 芸人やるぞ!って思ったのはそこが最初。
塚本 僕はバナナマンさんですかね。『オンバト(爆笑オンエアバトル)』でバナナマンさんを好きになって、初めて『ペポカボチャ』ってDVDを観て、「なんだこれ!」って。
溜口 「なんだこれ」ってどういうこと?
塚本 4分とかのテレビの尺じゃなくて、コントを10分、15分当たり前にやってて、しかもずっと面白い。2時間丸々一組の芸人さんを観るってことも初めてだったから、すごくいろんな顔があるんだなとも思ったし。そこからシティボーイズとかも観るようになりました。
溜口 僕は『とんねるずのみなさんのおかげです』がずっと好きで観てたんですよ。「仮面ノリダー」のコーナーで、チビノリダーっていたじゃないですか。結局、伊藤淳史くんが演じることになったんですけど、あのときチビノリダーを募集していたんです。うちの親、僕を応募してて。
塚本 えっ? 初めて聞いた。恥ずっ!
溜口 恥ずかしくはないだろ!
塚本 親の意志でしょ?
溜口 いや、僕とんねるずさん大好きで、初めて買ったCDは『がじゃいも』だったし。だから親が「じゃあ(応募しよう)」って思ったんじゃない?
塚本 「この子、よっぽど好きなんだな」って? 面白いな。
溜口 出る側を意識し始めたのはそこから。だからそれがきっかけといえばきっかけかな。
──応募して、どこまで進んだんですか?
溜口 書類選考で。
塚本 書類で落ちちゃった?
溜口 もちろんもちろん。
塚本 でも、チビノリダーになる可能性があったんだ。
溜口 うん。でも僕、チビノリダー感はあるよね?
塚本 なくはない。なくはないよ。
溜口 たぶん伊藤くんよりもある気がする。
塚本 親も、ちっちゃいしね。「この子だったらそんなに背伸びないだろう」って思ったんだろうね。
溜口 親をディスってんじゃねえよ(笑)!
塚本 こいつのお父さん、昔ナベプロの養成所に行こうとしてたんですよ。
溜口 はい。養成所に行こうとしてた。
──行ったわけじゃないんですね。
溜口 だから芸能一家です、一応。
──(笑)。
塚本 ほんとそうだよな。お父さんダンディだしねえ。
溜口 家族全員、出る側への憧れがあるんです。
[text]釣木文恵 [photo]相澤心也
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