記者会見レポート

『春を背負って』完成披露試写会 舞台挨拶

松山ケンイチさんが木村大作監督から受け取ったもの

(1/2ページ)
2014.3.13@渋谷区

春を背負って
舞台挨拶前に行われた完成披露会見でのショット。
左から、木村大作監督、檀ふみさん、蒼井優さん、松山ケンイチさん、豊川悦司さん、新井浩文さん。


松山ケンイチさんの最新主演作は『春を背負って』。監督は『八甲田山』『鉄道員(ぽっぽや)』などのキャメラマンとして名を馳せてきた木村大作さんです。大自然をフィルムに収める手腕は随一。『劔岳・点の記』から5年、木村さんがふたたび映画監督として贈り出すこの作品の完成披露試写会が催されました。上映に先立ち、出演者である松山さん、蒼井優さん、豊川悦司さん、檀ふみさん、新井浩文さん、そして木村監督が登壇する舞台挨拶が行われました。MCはフジテレビアナウンサーの笠井信輔さんです。

幕末高校生キャスト陣に続いてあいさつを求められた木村監督。ひとりだけマイクを使わず大声で語りはじめるので、客席からは驚きを含んだ笑い声が起こります。
「みなさーん! 私はただいま、47都道府県、自家用車でポスターを貼ってずーっと回っています」
監督自ら、各地で行われる試写会に足を運び、舞台挨拶を行っているのです。
「これまで16県回ってきて、(映画を観終わって、会場から)出てくる方のお顔を拝見すると、ひじょうに喜んでいただいています。これはウソではありません! そういうなかにおいて、なんせ東京の試写会ですからね、あなたたちの責任は重いです! 公開初日の6月14日まで、まだ3ヶ月あります! ひとり1日10人に、この映画を熱く語ってください!」
マイクを使わない理由を問われると……。「マイクを使うと声のトーンを落とさないといけない。そうすると冷静になっちゃうから、僕のなかで『ウソを言え、ウソを言え』ってなる。僕の口は腹についているんですよ、だからストレートにものが言えるわけ」と説明。
標高3000メートルの立山連峰でのロケという厳しさのなか、ふたたび山岳映画を撮った理由については「しんどい仕事だし、日本の四季を撮るために1年間かかった。こういうことを考える監督、プロデューサーはいない。だから、企画がすぐ通るんですよ」。

「現場で監督に怒鳴られた方はいますか?」という質問が笠井さんから飛び出すほど、職人気質の厳しさで有名な木村監督。松山さんは観客に「もうおわかりだと思いますけど、大作さんの人間性はすごくまっすぐで、それが信頼関係につながる。どんなに大変な撮影でもスタッフは食らいついていく」と監督の魅力を伝えました。
さらに「撮影中、中(なか)打ち上げがあったんですが、二次会のカラオケ屋で、スタッフのみなさんが替え歌で『最低監督だ』って声を合わせて野次るんですよ。監督も負けずに『なんだお前ら、コノヤロー』って返すんですけど、みなさん、監督へ本当に愛情があるなぁと思いました。……映画という場所ってなんて心地いいんだろう、ただ演技をするってことだけじゃなく、人と触れあって、暖かいものだったんだな、と感じました。大事なものを与えてくれた気がします」と告白。
蒼井さんは「本当に愛おしい方で、みんな大作さんが大好きなんです。撮影中に大作さんの誕生日がありました。『俺の誕生日は無視してくれ』という言葉をよそに、美術さんが“外見は台本なんだけど、中が真っ白のノート”をつくってくださって、スタッフキャスト全員がそれぞれの似顔絵と大作さんへのコメントを書いて贈りました」と、すてきなエピソードを披露しました。
なお唯一「怒鳴られた方」、それは檀さんだったそう。「朝の3時に山を登りはじめて、9時ぐらいにヘアメイクをしていましたら、みなさん準備が出来ていて、私がみなさんをお待たせしたらしいんですよ。そしたら(監督のようにマイクを外し、地声で)『檀さんッ! 檀さんが来ないからッ、曇って来ちゃったよッッッ!』。雪崩がおきるんじゃないかと思いました」と檀さんご本人が笑いながら証言しました。


 [1] [2]